酒質で選ぶ酒器の形

日本酒の味や香りを本格的に味わいたいのなら、酒器選びにもこだわりたい。
酒質に合った器を選ぶと、日本酒をより一層楽しむことができます。
■ラッパ型
口が上に広がっているラッパ型のグラスは、味はもちろん香りを堪能するのにおすすめの形です。
酒質としては大吟醸や吟醸酒など、香りが高いものがおすすめです。
より味と香りを楽しむには、お酒を注いだときに香りを逃さない、グラスが深いものを選ぶと良い。
透明なグラスは、微妙なお酒の色合いがわかります。
↑ ツヴィーゼルSAKEグラス。グラスの中で空気に触れさせることで、香りを存分に楽しむことができます。
■ワングリ型
ある程度の口径があり、腰が張ったワングリ型の器は、口の中央でお酒の旨みや甘み、味わいをしっかりと長時間、感じることができます。
日本酒の中でもスタンダードな本醸造、生酒などの淡麗辛口なお酒を飲むのにおすすめです。
特に常温やぬる燗など絶妙な温度を楽しむ場合は、飲みきりサイズの小さな器を選ぶと良い。
↑ 江戸時代から生活雑器として愛されてきた大分県の小鹿田焼の徳利とぐいのみ。
■ストレート型
ラッパ型と比べて底が深く少し傾斜したストレートなタイプの酒器は、縦長で直線的なシルエットがお酒の濃密な香りや風合いを逃さず口まで運び、その個性的な味わいをダイレクトに楽しめます。
古酒や長期熟成酒など一癖ある日本酒を飲むのに最適です。
↑ 墨田区の「松徳硝子」の驚くほど繊細なつくりのうすはりグラス。
■つぼみ型
飲み口よりボトムが大きく、丸く膨らんだような形をしたグラスは、日本酒がもつ香りを風合いを包み込むのに効果的です。
特に相性がいいのが純米酒です。お米の味を逃さないので、ダイレクトにお酒本来の味を楽しむのに最適です。
↑ 透けるほどに薄いエッグシェル。九州山口陶磁器展にて最高賞を受賞した話題のカップ。