唐津焼「土平窯」

土平窯の藤ノ木土平氏は、銀座「黒田陶苑」での個展が高く評価されるなど、器好きを魅了してやまない個性派の唐津焼作家です。唐津の町から車で30分ほどの、ひなびた山合いに窯はあります。敷地にはお茶室もあります。
土は唐津のものを使用し、技法も、古典をきっちりと押さえながらの作陶です。「やきものは用の美であり使ってこそ本当の価値がある」と語り、土の持つ個性を繊細な遊び心で引き出します。
昭和24年新潟県中魚沼郡中里村生まれ。本名民義。新潟県の高校を卒業後、上京。専門学校や民間絵画研究所で油絵を学ぶ。50年から3年間、唐津焼の大橋裕氏に師事。その後、岐阜県の加藤芳右エ門氏のもとで織部焼を学ぶ。55年、現在地に土平窯を開き、「○△□シリーズ」や「飛翔シリーズ」など新しい感覚の唐津焼作りに挑む。