グラスの形状による味わいの違い

ワイングラスで有名なリーデル社のサイトより引用いたします。
1950年代後半、リーデル家9代目当主クラウス・リーデルが史上初めてブドウ品種に合ったグラス形状というコンセプトをワイングラスの世界に導入しました。その後、リーデルはそれぞれのブドウ品種毎の個性に合わせたワイングラスを次々と開発し、世に送り出したのです。これらのグラスは、ワインの香り、味わい、バランス、そして後味を感覚へと移しかえる機能をもった、 “ワインの個性を引き出すグラス”です。
ワイングラスは3つの部分、すなわちボウル、ステム(脚)、台座で構成されています。ステムの長さと台座の大きさは、ボウル形状とのバランスによって決定されるもので、グラスのデザイン(=構造)の一部です。ブドウ品種に合わせたワイングラスは、精巧に調整されたボウル部分、すなわち3つの変数(形状、サイズ、口径)を特色とします。
では、グラスの大きさや形状により、ワインの風味がどう変化するかみていきます。
1)グラスの大きさと香り
グラスボウルの大きさによって、香りの感じ方が変わります。
<法則>
香りの豊かなワインには、大きなグラスを。
香りの穏やかなワインには、小さめのグラスで。
2)ワインの香りは層になる
大きなグラスなら、鼻を覆うことができ、表面層から底部の香りまで嗅ぐことができます。
<法則>
上層:花や果実の残り香は、最も軽く弱い香り
中層:青っぽい力物的な香りや、土っぽいミネラルの要素
下層:木やアルコールなどの香りは重いので底にたまる
3)グラスの形と香り
縦長のタマゴ型か、胴体の膨らんだ洋ナシ型かでワインの表面積が変わります。
さらにグラスの口がすぼまっているか開いているかによっても香りが変わります。
<法則>
タマゴ型は表面積が小さく、強い香りをほどほどにする。
洋ナシ型は繊細な香りを強調し豊かにする。
グラスの口がすぼまっていると香りを閉じ込め強める。
口が開いていると、香りを豊かにしつつ、アルコール臭をとばす。
4)ワインの流れと味わい
ボウルの形によって、グラスを傾けたときのワインの流れ方が変わります。
舌のどこに、どのように流れるかによって同じワインでも味が違って感じます。
<法則>
洋ナシ型は顔を上に向けて飲まなければならず、ワインは細い流れとなって勢いよく舌の奥に流れ込む。
タマゴ型は顔を上に向ける必要がなく、ワインが広めにゆっくり流れ込み、じんわりと舌全体に広がっていく。