日本酒の魅力

日本酒は、日本人の生活に根ざしている“米の国の、米の酒”です。四季折々に日本酒を楽しむ風習は、世界に誇れる日本の文化です。
日本酒は米でできた酒ですが、米を原料とする酒は、中国や朝鮮半島、東南アジアの各地にも存在しています。
そうした国々の酒と日本酒との大きな差は、酒造向きに改良した米、「酒造好適米」を使用しているか否かにあります。酒造好適米は普通の米に比べ、大粒で、でんぷん質を多く含む部分の割合が大きいです。
しかも、雑味の元となる米の表層の大部分を糠として削り取り、米の芯に近い部分だけを使って仕込むのは、世界広しといえども日本だけです。大吟醸クラスとなると半分以上削ってしまいます。
高度な醸造技術
日本酒は、この精米した米を蒸して、カビの一種である「麹菌」を加えて糖化発酵させ、この糖質をさらに「酵母」によってアルコール発酵させる「併行発酵」という方法で造られます。
このように1本の日本酒が出来上がるまでに要する時間、手間は相当なもので、その製造工程は世界中でも他に類を見ないほど複雑です。
バラエティに富んでいる
さらに、南北に長い日本には、土地ごとに違う気候風土があり、それが食文化の違いを生み出してきました。日本酒も同様です。
かつては地方によって酒の味わいは特徴づけられていました。しかし、今や地域でひとくくりにできるほど日本酒は単純ではなくなってきました。日本酒を醸す蔵は全国で2000弱。日本酒の香味は千差万別です。
あの透明な味の米から想像もつかない果実のような芳香を出す日本酒。芸術品と呼ぶのにふさわしいと思います。
飲用温度の幅が広い
日本酒は、他の酒類に比べて、飲用温度の幅が広いのが最大の特性です。冷や(常温)でも、温めてもいただけるお酒は、他に類をみません。